痴ほうを防ぐビタミンE はどのような効果から痴呆を防ぐのでしょうか? ビタミンE は、その抗酸化作用によって、脳細胞の細胞膜の成分であるリン脂質の酸化を防ぎ、脳が退行性変化するのを守る働きがあります。
神経細胞は、エネルギーとしてブドウ糖しか使わないため、ブドウ糖の代謝に必要な臥が神経細胞の栄養剤になります。
しかしB1をとくに必要とするのは末梢の神経細胞で、脳の神経細胞にはB1のほかにB6とEも重要です。
ビタミンB6 は、脳内に必要な y・アミノ酪酸 ( GABA ) という物質がつくられるときに働きます。
GABA が不足すると、けいれん (てんかん) を引き起こすきっかけになります。
老人の病気のひとつに、 パーキンソン病 という動作が極端に緩慢になる病気があります。そのパーキンソン病の治療薬のドーパミンをのむと、けいれんを起こすことがありますが、そのような場合にB6を服用させるとけいれんが治まります。
ドーパミンが ビタミンB6 の働きを抑える物質だからです。また脳には脳の集中力を高める作用があるので、ボケ予防の効果も期待できるかもしれません。
ビタミンE は、その抗酸化作用によって、脳細胞の細胞膜の成分であるリン脂質の酸化を防ぎ、脳が退行性変化するのを守ってくれます。リン脂質とは、リンと脂肪酸が結合した物質で、酸化されやすい性質をもっています。
このリン脂質は、ブドウ糖が代謝されてエネルギーに変換するときに放出する活性酵素によって、酸化の危機にさらされます。それを守ってくれるのが ビタミンE 。その結果、脳の退行性変化をストップさせれば、ボケ予防にEが一役買うことになるでしょう。
厚生労働省の 2015 年 1 月の発表によると、日本の認知症患者数は 2012 年時点で約 462 万人、65 歳以上の高齢者の約 7 人に 1 人と推計されています。
国連の最新の予測によると、世界人口のうち 65 歳以上の高齢者の割合は 2050 年に 16 % と、6 人に 1 人を占めるようになるとしています。
現在は 11 人に 1 人( 9 %)ですが「歴史的な低さの出生率と寿命の延びで、事実上すべての国が高齢化していく」という。日本が直面する高齢者の社会保障や労働力の確保といった問題が、多くの国に共通する課題になりそうです。