βカロチンのガン予防効果

アメリカの疫学調査によってβカロチンをたくさん摂取している人は明らかに肺ガンの発生率が低いことが確認された。

βカロチンには「兄弟」がいる

βカロチンには幾何学異性体といって、恰好は同じなのに性質の異なる「兄弟」が存在します。その化学構造を見ると、原子の数や核になる部分は同じなのに、尻尾の部分が少し違っていて、一方はシツポが真っ直ぐなのに、片方はシツポが途中で曲がって見えます。それだけの違いで、両者の性質がガラツと変わってしまうのです。シツポが真っ直ぐなほうがオールトランス型のβカロチンで、これがビタミンAに変換される有用なβ力ロテンです。これに対してシツポが曲がっているのはシス型βカロチンといって、カロチンとしての働きが鈍く、あまり効果が認められないものです。
そのことは、たとえばオールトランス型のほうは摂取すると力ロチンの血中濃度が上がり、その効果が認められるのに、シス型のほうは大量に摂取しても血中にほとんど検出されないことからもわかっています。ニンジンなどの緑黄色野菜に含まれるβカロチンは、有用なオールトランス型なので大丈夫。積極的に摂取していいでしょう。

シス型の効果は疑問

市販のβカロチンの錠剤は化学合成されたものですが、これもにんじんのβ カロチンと同じオールトランス型。この合成βカロチンは色素としても活用され、マーガリンなどの着色に使用されています。ちょっと効果に疑問符がつくのが、ドナリエラという藻から抽出されたβカロチンです。
日本ではオーストラリアとイスラ工ルでつくられた原末を輸入し、βカロチンとして市販されています。成分はオールトランス型とシス型とがほぼ半々に含まれています。
ドイツで、亡くなった人の臓器を調べたところ、肝臓などの臓器に微量のシス型が検出されたといいます。ドナリエラからとったβ カロチンの発売元は、このドイツの研究の結果を金科玉条のようにして、「シス型は臓器に蓄えられる」と称して宣伝していますが、「シス型が役に立つ」という研究報告のなかで信用できるものはまだありません。シス型をのんでも別に害があるわけではありませんが、「効果が認められないものが販売されるのはおかしい」というのが、専門家の意見となっています。

βカロチンはビタミンAと同様の働きをする

βカロチン(もちろんオールトランス型ですが) がビタミンA と同じ働きをするのは、小腸の細胞で分解されてビタミンAに変化するからです。しかしカロチンのままでも、抗酸化作用といって、細胞のガン化や老化を防ぐ働きがあるという意見もあります。試験管のなかでの実験から、β カロチンに物質の酸化を抑える作用があることがわかったためです。

βカロチンは肺ガン予防に有効

疫学調査といって、特定の病気の原因を、特定の集団を対象にして、統計学的に調べる研究がありますが、最近アメリカで、βカロチンの摂取量と肺ガンの発生率との関係について疫学調査が行なわれました。その結果、食物などからβカロチンをたくさん摂取している人は、明らかに肺ガンの発生率が低いことがわかったのです。つまりβ 力ロチンがガン予防に有効だということが、統計学的にも正しいと証明されたのです。
こちらにもにんじんのβカロチンがガン予防効果があることを紹介しています。

βカロチンのガン予防効果

βカロチンのガン予防効果

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