βカロチンと肺がんの関連性

学術的な研究報告の結果だけを聞きかじって、βカロチンを摂取していても肺ガンになりやすいと考えるのは早計。

二重盲検法による6年間の調査

アメリカのガン研究所とフィンランドのヘルシンキ大学とが共同で次のような研究を実施し、1994年6月、その結果を発表しました。
フィンランドに住む5歳以上のヘビースモーカーの男性約3万人を被験者に選び、

  1. 1日に錠剤のβカロチン20mgとビタミンE 50mg
  2. β カロチン20mgだけ
  3. ビタミンE50mgだけ
  4. プラセボ=偽薬(錠剤の外型は同じでのむ人には区別がつかないが、βカロチンもビタミンEも含まない)

を飲む つのグループに分けて、平均6年間、二重盲検法によって服薬させ、どのグループが肺ガン発生率が高かったかを調査しました。

肺がんの発生率が一番低かったのは

二重盲検法とは、投薬する医師も被験者も、被験者がどのグループに属するか知らされずに検査する方法です。つまり被験者に投薬する医師も何を投薬しているのかわからず、被験者本人も自分がβ力ロチンをのんでいるのか偽薬をのんでいるのかわかっていません。
現代医学ではこうした方法で試験をしないと、薬効について科学的な評価が得られないとされています。この研究の結果、β力ロチンとビタミンEをのんでいた1のグループに肺ガンが多く発生し、偽薬をのんでいた4のグループのほうが発生率が少なかった、という結果が出たのです。この結果がイギリスのロイター通信社にスクープされ、世界じゅうにニュースとして流されたため、
たちまち大騒ぎになってしまいました。

「フィンランドスタディ」の疑問点

「フィンランド・スタディ」と呼ばれるこの研究では、高齢のヘビースモーカーに合成カロチンを錠剤の形でのませたところに問題がありそうです。
ほかの疫学調査では、食品から天然のβ力ロチンをとっている人びとを対象に調査しており、それらの研究結果からは、βカロチンのガン予防効果が認められているからです。なにしろヘビースモーカーですから、喫煙だけでなく、万事にガンになる危険率の高い生活態度をとりがちなはずです。
また錠剤のβカロチンをのむと肌が黄ばんでくるため、途中でβカロチンをのんでいることが本人にわかってしまい、「βカロチンをのんでいるから大丈夫」と免罪符にして、ガンの危険率の高い生活態度をとり続けた人が多かったのではないかとも思われます。
もしそうなら二重盲検法の意味はなかったも同然。偽薬をのんでいた4のグループに肺ガンが少なかったのは単なる偶然ではないか?と指摘する専門家もいるほどです。またβカロチンの量が、果たして適当であったかという問題もあります。

生活レベルの高低で差がでる

一方、「フィンランド・スタディ」とほぼ同時期に、中国北部のリンシャンという町で行なわれた「リンシャン・スタディ」と呼ばれる研究では、ビタミンEをのんだグループに、消化器ガンの発生率が顕著に少なかったという結果が発表されています。
中国北部の田舎町では、人びとの栄養状態がそれほどいいとはいえないため、ビタミン剤の効果がストレートにあらわれたわけです。それに比べ、フィンランドのように生活レベルの高い国では、ふだんの食生活からビタミンを十分に摂取しているため、ビタミン剤のガン予防効果があらわれにくかったとも受けとれます。

自分でできる!肺ガン検査キットはこちら。無症状のうちに検診をした人でも早期の肺ガンが発見される可能性が高いのですが、治療技術が進歩した日本では、早期のうちに発見して治療すれば80パーセントの患者が治るといわれています。こちらでは、X線検査では見つけにくく、痰(たん)の検査でわかる、肺門部に発生するガンの検査キットを紹介します。病院に行かずに検査を受けられます。

肺癌とβカロチンの関係性

肺癌とβカロチンの関係性

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする